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松川 誠; 玉井 広史; 藤田 隆明; 木津 要; 櫻井 真治; 土屋 勝彦; 栗田 源一; 森岡 篤彦; 安藤 俊就; 三浦 友史
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 16(2), p.914 - 917, 2006/06
被引用回数:4 パーセンタイル:29.26(Engineering, Electrical & Electronic)本論文は、ITERと同様に発電実証炉への貢献を目指すトカマク国内重点化装置(NCT)のポロイダル磁場(PF)コイルの配置設計についてまとめたものである。核融合炉の電力売価は、建設費と核融合出力で決まり、核融合出力はプラズマの規格化ベータ値の約2乗に比例して増大する。このため、高ベータプラズマの実現が経済的な核融合実現の鍵であり、具体的には、理想MHD限界に近い高規格化ベータ値の達成が求められている。プラズマの断面形状パラメータS(=q95*Ip/a*Bt)は、限界ベータ値と相関があると考えられており、核融合炉の設計までに、これらの最適値を検証する必要がある。このため、NCTではアスペクト比やプラズマ断面形状制御性能でITERよりも広い運転領域をカバーすることを目標にしてPFコイルの配置設計を行った。結果的には、アスペクト比が2.6から3.4の領域を、プラズマの形状パラメータSはダブルヌル配位で最大7程度、シングルヌル配位で最大6程度を得ることができた。さらに小断面PFコイルを追加することでプラズマの四角度の制御性が改善できることも明らかにした。
三浦 友史; 木津 要; 土屋 勝彦; 礒野 高明; 松井 邦浩; 逆井 章; 石田 真一; 松川 誠; 安藤 俊就
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 12(1), p.611 - 614, 2002/03
被引用回数:8 パーセンタイル:45.33(Engineering, Electrical & Electronic)JT-60の超伝導ポロイダル磁場(PF)コイルのために、20kA-7.4T級NbSn導体と20kA-5.0T級NbTi導体を開発した。PFコイルはパルス運転されるため、交流損失の低減が重要な検討項目である。2導体にはともにCrめっきを適用し、結合時定数の設計値は50msであるが、NbTi導体では、コスト低減を狙ってSnAgめっきの適用も検討した。短尺実寸サンプルの交流損失を測定した結果、NbSn導体の結合時定数は、導体熱処理時に素線間のCrめっきが焼結したため、設計値の5倍の大きさであった。曲げ歪を印加し焼結部をはがした後、交流損失を再測定する予定である。NbTi導体では、Crめっきが48msであり適用可能であることがわかった。一方、SnAgめっきは127msで、撚線後の効果的な酸化処理法をさらに検討する必要があることがわかった。臨界電流の測定結果についても報告する予定である。
寺門 恒久; 岡野 潤; 島田 勝弘; 三浦 友史; 山下 睦樹*; 松川 誠; 細金 延幸; 辻 博史; 安藤 俊就*; 高橋 良和; et al.
JAERI-Tech 2001-056, 24 Pages, 2001/08
国際熱核融合実験炉(ITER)の工学設計活動の一つとして、中心ソレノイド(CS)モデルコイルの開発が、日本、欧州連合、ロシア及び米国の共同で1992年から開始された。CSモデルコイルの通電試験は、日本原子力研究所那珂研究所の試験設備を用いて、国際共同実験チームにより行われた。通電試験には、直流通電試験とパルス通電試験があり、このうち直流通電試験は超電導磁石研究室の低電圧電源を用いた。一方、パルス通電にはJT-60のポロイダル磁場コイル電源を使用した。本レポートは、このパルス通電を行うために実施したJT-60ポロイダル磁場コイル電源の改造や、制御特性改善のためのリアルタイム制御手法の改良、及び得られた試験結果について報告する。
三浦 友史; 松川 誠; 宮地 謙吾; 木村 豊秋
JAERI-Tech 98-001, 41 Pages, 1998/01
次世代トカマク形核融合装置の超伝導ポロイダル磁場コイル用電源は、プラズマ着火時に高電圧を必要とし、他は比較的低電圧で運転されるという特徴がある。従来のサイリスタ変換器では、力率が低下し、直流出力電圧の変動に伴い交流側無効電力が動揺することになる。このため、入力電力の力率1制御と交流側入力電流波形の制御が容易なPWMコンバータが、将来の核融合装置用電源として有望であると考え、スイッチング素子としてIGBTを用いた100kW級の電流形PWMコンバータを試作し、検討した。その結果、核融合装置用電源に必要な基本的な性能を実現できたが、交流側フィルタコンデンサの直流出力電圧変動時の過渡的な電圧上昇及び、超伝導コイル充電時の制御法などの新たな課題があることもわかった。
栗原 研一
プラズマ・核融合学会誌, 73(5), p.486 - 495, 1997/05
プラズマ核融合学会誌の企画として、講座「核融合における電力技術」の中の「2トカマク用電源」の「2.5制御・保護技術」と題する解説論文である。一般に「制御・保護」の構築は、装置性能や運転のシナリオから要求事項が整理され、それを実現する方法を決定し、ハードウェアの選定を経て、製作・試験・導入へと移行する。この時、出来た制御システムの善し悪しは、常に最初の要求事項に立ち戻って評価していくことが必要である。このような考えから、ポロイダル磁場コイル電源について基本的な要求事項の整理過程から最終的なプラズマ制御系構築までの道筋の解説を試みた。保護についても制御のバックアップとしての位置付けで記述している。さらにシステムの機能構成やハードウェアの情報はJT-60を例にとって図中に詳細に記載した。最後にトロイダル磁場コイル電源についてもJT-60を例にとって解説した。
青柳 哲雄; 永島 圭介; 北井 達也*; 森 活春*; 中川 勝二*; 栗田 源一; 菊池 満; 永見 正幸
JAERI-Research 97-010, 58 Pages, 1997/02
コイル電源設備は、18個のトロイダル磁場コイル(超伝導コイル)に定常的に電流を流すトロイダル磁場コイル電源、10個のポロイダル磁場コイル(超伝導コイル)にパルス的に電流を流すポロイダル磁場コイル電源、プラズマ垂直位置を高速に制御する高速位置制御コイル(常電導コイル)に電流を流す高速位置制御コイル電源、ロックドモードの原因となる非軸対称エラー磁場を補正するエラー磁場補正コイル(超伝導コイル)に電流を流すエラー磁場補正コイル電源、およびそれらに電力を供給する電動発電機から構成される。本報告書では、これらの概念検討結果を示すものである。
飯田 文雄*; 吉田 清; S.Stoner*; A.Tesini*
Proc. of 15th Int. Conf. on Magnet Technology (MT-15), p.433 - 436, 1997/00
ITERの超電導マグネット系は運転シナリオに従ってプラズマの立上げ、加熱、位置及び形状制御のために必要な磁場を発生するために、20個のトロイダル磁場コイル、1個の中心ソレノイドコイル、9個のポロイダル磁場コイル及び3セットの磁場補正コイルから成り立っている。本論文ではコイル系と電源及び冷凍系を結ぶコンポーネントすなわち電気絶縁ボックス、フィダー線、クライオスタット貫通部及びコイルターミナルボックスの具体的設計について説明する。遠隔操作による各コンポーネントの分解修理再組立を考慮し、さらに空間的制約により極力コンパクトな設計となっている。
吉田 通治; 栗原 研一
JAERI-Tech 95-053, 26 Pages, 1995/12
JT-60のプラズマフィードバック制御計算機とポロイダル磁場コイル直接デジタル制御装置は、それぞれの制御演算で用いるコイル電流値の信号を異なる伝送ルートと機器で計算機入力しているため、それらコイル電流現状値が互いに異なると、算出したフィードバック量に対応する電圧値がコイルに印加されないことになり、制御性能の劣化が予想される。実際のアナログ-デジタル変換誤差は、数ビット以上になっており、この量は無視し得る量ではないと考えられる。本報告書は、このコイル電流現状値の不一致を改善した制御方式の実験への適用に先立ち、この問題がプラズマの制御にどんな影響を及ぼしているのか、また新しい制御方式が従来の制御方式と比較して制御性能をどれだけ向上させることが出来るのかについて検討を行ったものである。
青柳 哲雄; 寺門 恒久; 松崎 誼
電気学会論文誌,D, 115(1), p.13 - 20, 1995/00
JT-60の大電流化改造(JT-60U)に伴い、ポロイダル磁場コイル電源サイリスタ交換器の計算機制御(DDC)システムのVME化改造を行った。主な目的は(1)制御遅れ時間を0.5ms以下に抑える高速化、(2)循環電流制御やバイパス運転を必要に応じて停止・再開することなど新しい制御方式の確立、(3)高級言語を使用することによる制御の柔軟性の向上などである。これを達成するため、DDCはオンライン処理をワークステーションに、放電時に高速で演算制御を行うリアルタイム処理機能をVMEバスシステム下のマイクロコンピュータで行う方式とし、プログラムはC言語により作成した。この新しい制御方式がコイル電流を安定に制御する点についてシミュレーションを行い、問題のないことを確認した。新DDCシステムによるコイルへの通電及びプラズマの生成・制御を行ったところ、高速かつ円滑に制御され、所期の目的を達成した。
松崎 誼; 青柳 哲雄; 寺門 恒久; 高橋 実; 信坂 裕通*; 大森 憲一郎
Fusion Technology 1990, p.1482 - 1486, 1991/00
JT-60の大電流化改造に伴い、ポロイダル磁場コイル電源もOH電源回路の直流遮断器の撤去、Hコイル電源の増強そして制御系の改造等を行なった。とりわけサイリスタの直接ディジタル制御(DDC)部は、高速制御性を得るため大巾に改造された。新DDCシステムはホストコンピュータ(HC)とVMEバスを持つ32ビットマイクロプロセッサー(MVME)とからなる。HCは主に全系制御計算機からの指令に基づき、放電条件の設定・実行及び放電後の結果データの収集・転送を行う。一方MVMEはDDCの制御アルゴリズムを実行し、サイリスタ位相制御器へ出力する。この新DDCシステムを製作し、試験を行なった。結果は極めて良好であり、この制御の遅れ時間は0.5ms以下であった。
高津 英幸; 大久保 実; 山本 正弘; 太田 充
日本原子力学会誌, 28(7), p.628 - 640, 1986/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Nuclear Science & Technology)JT-60本体コイル通電試験が、1984年12月から2ヶ月強の期間を要して実施された。本試験の目的は、プラズマの生成に先立ち全コイルに最大定格まで電流を流し、本体、電源、制御などの全システムの健全性を確認することである。本報告は通電試験の結果について本体の機械的特性の観点からまとめたものであり、主な結論は以下の通りである。(1)全コイルを同時に最大定格まで通電することに成功し、全システムの健全性が確認された。(2)測定された歪、変位は設計値と比較的よく一致し、電磁力の支持が設計通りなされていることが確認された。(3)電磁力による真空客器の振動が顕著であり、真空客器に取り付く機器は振動対策が必要である。(4)機械的な観点から、運転に対する制限事項や追加が必要と考えられる計測事項が明らかにされた。
清水 正亜; 大久保 実; 山本 正弘; 高津 英幸; 安東 俊郎; 中村 博雄; 秋野 昇; 川崎 幸三; 浦川 宏*; 大都 和良*; et al.
Nucl.Eng.Des./Fusion, 3(4), p.249 - 264, 1986/00
結界プラズマ試験装置JT-60は主半径3m、副半径0.95m、トロイダル磁場4.5T、プラズマ電流2.7MAの大型トカマク実験装置である。この本体は主として真空容器、トロイダル磁場コイル、ポロイダル磁場コイル及び架台から成る。これら各構造物には超高真空、強大な電磁力、高熱負荷及び複雑な幾何学的条件などにより厳しい設計条件が課せられた。1978年4月に設計を開始し、現場の据付は1983年2月から1984年10月まで行われ、さらに1985年3月まで各種試験が行われた。ここでは、これらの設計、製作、組立および試験について報告する。
松川 達哉; 高橋 春次; 宮地 謙吾; 嶋田 隆一
PE-86-59, p.73 - 81, 1986/00
日本原子力研究所では、昨年4月那珂研究所に臨界プラズマ試験装置JT-60を完成し、プラズマ実験を開始した。トカマク型装置では、トロイダルコイルを励磁して得られるトロイダル磁場中に、ポロイダルコイルを励磁することにより、プラズマを生成・維持するが、このとき各コイルに所定の電流を通電するための電源がトロイダルおよびポロイダル磁場コイル電源である。JT-60クラスのプラズマになると、その制御のために各コイルに通電すべき電流として数kA~百kA程度の直流大電流が必要となり、またそのコイル電流を高速・高精度に制御することが要求されるため、両電源とも大容量のダイオードあるいはサイリスタ変換装置を備えている。ここでは、主にプラズマ実験開始以後の両電源の運転を中心に、プラズマ制御を目的とする電力変換装置としての特徴について述べる。
杉原 正芳; 西尾 敏
JAERI-M 83-139, 31 Pages, 1983/09
高周波波動による定常運転を目指した核融合実験炉の炉概念の検討を行なった。検討の方針として、これまで行なってきた標準炉と対比して定常炉の利点をでさるだけ生かすことを念頭に置いた。また現時点でのデータベースから余り外れないことを前提としているが、高周波波動については将来の研究の進展を見込んで2種類の波動を検討した。検討項目としては、1)プラズマ閉じ込め性能 2)高周波波動の選定 3)装置大半径 4)トロイダル磁場コイルの数およびサイズ 5)平衡磁場配位 である。検討の結果、標準炉より大半径で1~1.5m程小さなサイズの炉が可能であるとの見通しが得られた。
西尾 敏; 藤沢 登; 深井 佑造*; 沢田 芳夫*; 山口 貢*; 内田 高穂*; 三木 信晴*; 浜島 高太郎*; 長沼 正光*; 宗像 正*; et al.
JAERI-M 82-178, 187 Pages, 1982/11
国際トカマク炉(INTOR)フューズIIAにおける主要課題は分解修理性を確保しつつ可能な限りコンパクトで低コストの炉概念を確立することである。本報告書ではシールド、ブランケット、リミタ等の卜-ラス構造物をトロイダル磁場コイル間から直線引抜方式で交換する方式を採用し、かつ小型化された炉概念を示す。炉構造物引技空間、真空境界、炉構造物の分割法、コイルの支持法等が詳細に考察され、今後の検討課題を明確にした。
西尾 敏; 大久保 実; 川崎 幸三; 安東 俊郎; 三木 信晴*
JAERI-M 7846, 35 Pages, 1978/09
高温プラズマを閉込める大型トカマク装置にとって、リップルおよび不整磁場のプラズマ性能に及ぼす影響は決して無視し得るものではなく、したがって臨界プラズマの達成を目標とするJT-60にとってリップルおよび不整磁場の定量的把握が非常に重要な意義を持つことは論を待たない。検討の結果、以下の事が明らかとなった。i)プラズマの拡散および熱伝導に及ぼすリップルの影響はneoclassicalと同程度である。ii)リップルが誘起するポロイダル磁場コイルの最大電磁力は4.3トン/mとなり、継手構造および支持方法の検討が必要である。iii)プラズマ点火に悪影響を及ぼす不整磁場は、垂直および水平磁場コイルによって補償される程度の大きさである。さらに製作・設置における寸法精度が正規分布するとしたときの不整磁場の確率変動および累積分布関数を求めた。
安東 俊郎; 三木 信晴*; 大久保 実; 西尾 敏; 川崎 幸三; 太田 充; 吉川 允二; 伊藤 進*; 沢田 芳夫*; 高野 広久*
日本原子力学会誌, 20(3), p.207 - 216, 1978/03
被引用回数:3本報告は臨界プラズマ試験装置JT-60用ポロイダル磁場コイルの試作開発の成果を述べる。基本技術の開発において、約30種のモデルの中から分解組立用接続部構造を選定し、FRP絶縁ピンを用いた渡り方式および予熱なしの溶接法を採用した。また通常部絶縁として、レジンリッチマイカエポキシ絶縁法を採用し、接続部にはFRPとレジンリッチマイカテープの組合せ方式を採用した。さらに電磁力を模擬した機械力による疲労試験の前後において、接続部接触抵抗および通電による温度上昇を測定した。これらの基本技術の開発結果に基づいて、実機大空心変流器コイル2ターンおよび実機大磁気リミタコイル90°セクターを製作し、機械的、電気的および熱的試験を行った。これらの試作試験を通じて開発した製作技術は、JT-60ポロイダル磁場コイルに適用可能であることが判った。
小林 朋文*; 谷 啓二; 竹田 辰興; 小林 哲郎*; 嶋田 隆一; 田村 早苗; 吉田 吉一*
JAERI-M 6451, 62 Pages, 1976/03
大型核融合装置のポロイダル磁場コイルの配置を決める方法として、非線形計画法の一つsimplex法を用いる手法を開発し、臨界プラズマ試験装置(トカマク型)の設計に応用した。この手法には二つの機能(1)(R、Z)2次元空間内でコイル位置を探索する、(2)複数個のコイルの相対位置が変らないように動きうる、が備わっている。これによって、ポロイダル磁場コイルの配置不能な禁止領域がいかなるものでも、その制限下での最適化が可能である。